Q:子どもたちに、愛犬の病気が末期にあるという事実をどのように話せばよいでしょうか。
子ども達に病気や命について説明するとき、守るべき原則があります。
それは、正直に、そして子どもたちが理解できる言葉で説明することです。
ペットの治療の責任者である獣医師と直接話をさせるだけでも、
子ども達にとっては役に立つでしょう。
子ども達には、疑問に思う点をどんどん質問させてください。
しばしば子ども達の抱く思い込みのほうが、現実よりも有害ですので、
起こっていることの不可解さを取り除くためにも、質問させることは大切です。
「ペットは眠っているだけ」などと嘘をつくと、
子ども達は「いつかペットが元気になって起きるかも知れない」と思ってしまいます。
Q:ペットロスは子どもがその後の人生で出会う喪失体験の役にたつのでしょうか。
ペットロス体験は、子どもが以後の喪失に対処するときのモデルになります。
ペットとの別れは一般的に、人間が出会う最初の喪失体験になります。
その重大な体験をうまく通過すれば、そのほかの喪失も無事に切り抜けられるようになるでしょう。
むしろ子どもの頃にペットとの別れを経験していない子どもが、
大人になって長年の夢であったペットを飼い始め、
そして失ったときの方が、衝撃も尋常なものではなくなってしまうでしょう。
Q:ペットが亡くなったことを、子どもに正直に話してもいいのでしょうか。
通常の好奇心を持っている子どもなら気になるのは、ペットはどこにいるのか、
自分のせいでペットがしんだのか、いつかもう一度ペットに会うことができるのか、
などと自然に思うことでしょう。
このような質問には、子どもの理解力に合わせて、
正直に、そして質問されたらすぐに答えるようにしましょう。
嘘をついたり、問題を避けるようなことをすれば、子どもはすぐに感づきます。
作り話をすることは、「命」という難しい概念を学び、理解する機会を
子どもたちから奪い取るようなものです。
子ども達は、いずれ別れを経験することになるのです。
そのための重要な学習の機会を子ども達から取り上げないようにしましょう。
家庭で長い間ペットを飼っていれば、必ず子どもはそのペットとの別れに遭遇するはずです。
その際に、親が遺体を隠してしまうことなく、
子どもにお別れを言わせてやるのは、とても大切なことだと思います。