人と人との関係は、年をとるとともに変化していきます。
子どもが成長するに従って、
親子の関係は変わっていきますし、
夫婦の関係も年とともに変わります。
けれど、ペットとの関係は、年を経ても変わることがありません。
ペットは常に変わらぬ愛情と不変の忠誠を持ち続けてくれます。
人間関係は変化することが前提にあり、さまざまな節目をもっているので、
知らぬ間にその心構えや変化することへの対応の仕方が身についてきます。
ペットと飼い主の場合、その関係が変化するとすれば、
それは突然の発病や老衰、亡くなったときということになります。
ペットロスとは、最愛のペットをなくした悲しみや苦しみなどから起こる、心理的な喪失体験です。
ペットロスは病気かというと、そうは言い切れません。
どんなに小さなペットであれ、今まで存在していた家族の一員がなくなったときは、
誰でも悲しむことは当然のことだからです。
ペットロスは、ペットを失った飼い主の極めて正常な悲しみの表れです。
喪失感にさいなまれたときは、素直に悲しんでよいのです。
むしろ、少なくとも1年ぐらいは無理に悲しみを忘れようとしないように。
周りの人は、「もう過ぎたことだし・・・」なんて冷たく接するのではなくて、
こうした「ペットロス」の感情は誰にもあることだと理解してあげてください。
悲しみを無理に抑え込んでいては、十分に感情を吐き出すことができず、
結果、うつ病に繋がる可能性もあります。
一時的に体調が変化しても、ペットを失った悲しみは、いずれ薄らいでいくものです。
だからといって、それはペットを忘れ去ることではありません。
愛するペットが「亡くなった」ということより「一緒に生きた」ということを大切に思えるようになります。
悲しみが薄れていくことに、ペットを忘れてしまう罪悪感を持つ必要は決してないのです。
ペットが教えてくれたこと。
ペットが残していってくれたこと。
色々なことを考えると、いなくなって寂しいのは当然ですが、
それよりも一緒に暮らした日々、楽しかった思い出の方が大きな財産だと思えるといいですね。