ペットの認知症は、
その高齢化と共に増加している病気です。
ペットの老化に伴って、脳全体に萎縮が起こります。
また、老化によって毒性の高い物質が
脳に沈着することもその一因と考えられています。
医療の進歩は人間の世界だけのことではありません。
動物の分野においても医療技術が進んだので、
昔よりも長生きするペットが増加したのです。
飼われる環境が野外から室内に変化したことで
衛生環境が良くなったことも長生きの助けになっていると考えられます。
これまでは認知症を発症する前に死んでいたペットたちも、
寿命が長くなったことにより発症のリスクが高まっているのです。
では、ペットの認知症の症状として具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
以下に具体的に実例を挙げていきます。
最も多くその症状が見られる犬で言えば、
まず無駄吠えが多くなります。
これまで吠えることがなかった犬でも昼夜を問わずに鳴き続けるようになるのです。
また、ぼんやりしてそれまで懐いていた飼い主の呼びかけにも応えないようになります。
食欲旺盛でありながら体重が減少するという肉体的な衰えも見られます。
運動面では、前に進むことができても後ろに進めなくなるという運動障害が起こります。
また、人間の認知症と同様に徘徊するなどの症状も見られます。
犬における認知症の症状は、平均すると11歳前後で現れるということがわかっています。
現在では、こういった症状によって飼えなくなった犬たちを預かる老犬ホームなどの施設も開設されています。