動物医療に対する要求は、
年々高まってはきていますが、
人間の医療と同様の検査や治療が行なえないのが現状です。
その理由は、
まず日本では、院長先生が1人で診療している病院が、
圧倒的多数を占めていることにあります。
彼らの手に負えない症例や、
専門的な検査や治療が必要な動物を紹介できる、
総合的な動物病院はとても少ないのです。
複数の獣医師が勤務している病院も増えてはきていますが、
それでも人間に比べると設備も人員も充実しているとはいえません。
それに、人間の病院では
内科、外科などの診療内科に分かれているのが普通ですが、
動物病院だと、一つの病院に、犬も猫も鳥もくる反面、
全ての症例に一人の獣医師が対応しなければなりません。
動物病院は総合病院として機能することを期待されているのです。
さらにもう一つ、動物側にも問題があります。
動物病院のおいて検査をすることになっても、
レントゲン撮影や超音波検査、さらには採血においても、
人間であれば特に問題はありませんが、
動物の場合は全身麻酔をしないと行なうことができません。
つあり、検査をする方がよい場合であっても、
全身麻酔をかけることが動物の命を脅かすことになる、
あるいは動物にとって大きなマイナスとなるようなケースには、
実際には検査を行なうことすらできないこともあるのです。