愛犬との別れとペットロス

私が忘れられない愛犬との別れは、

私がちょうど20歳になったときでした。

 

14歳のときに友達が拾った雑種の子犬を

親の承諾も得ずに引き取り、一緒に暮らし始めたのです。

もちろん両親は大反対でしたが、最終的には許してくれて、

その小さな子犬を翔と名付け、生活が始まりました。

 

飼う犬との関係性は、自分が飼う年代によって

変わるものだと思っているのですが、

このときの翔との関係は完全に友達でした。

毎日学校から帰ると、翔と遊び、夜は一緒のふとんで寝たり、

ちょっと年下の友達ができたような気持ちだったと思います。

 

高校生くらいになると、思春期のまっただ中で、

親とけんかする度に翔の小屋に行き、

翔に愚痴っていたような日々を過ごしました。

翔はいつもあたりまえに一番近くにいてくれて、

翔も友達としての形を私の成長に合わせて、

変えてくれていたように思います。

 

そんな当たり前の日々が変わってきたのは、

私が短大に通うようになってからです。

プライベートも忙しくなり、友達や彼氏との付き合いが多くなり、

翔とゆっくり過ごすことも減ってしまった頃に翔は病に倒れました。

 

フィラリアにかかっていました。

もうすでに手遅れで、肺も膨らみ、いつも激しいせきをして、苦しそうでした。

初めて一緒に生活した犬だったので、

人間よりもものすごいスピードで老いることもよくわからずにいたのですが、

そのときはもう翔は友達の年代ではなく、初老になっていました。

 

そして、翔は突然旅立ってしまいました。

その後は、たくさんの寂しさと後悔で、私は今も翔を忘れられません。

真の友人を失ったのですから。

翔はいつでもそばにいて、慰めてくれていたのに

私は翔をひとりで旅立たせてしまったのです。

 

ペットロスという状態は5年くらいは続いたと思います。

友達に「飼い主があまり悲しむと、わんちゃんは忠実だから、成仏できないんだよ。」

と言われ、はっと我に帰ってからは、

翔への感謝を心の中で思うことに変わっていくことができました。

でも、こうして振り返ると、今もまだ涙が出てしまいます。

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