代わりのペット

新しいペットは、いなくなったペットの代わりにはなりません。

しかし、新しいペットを飼うことは、新しい関係の始まりであり、

新たに感情を交し合う対象を得ることになります。

 

多くの人は、新しいペットを迎えれば、

すぐにも前のペットを失ったことによる悲しみが軽くなり、消えてしまうと考えています。

 

しかし、それは間違いです。

たとえ新しいペットが家にいても、飼い主はやはり深い悲しみを味わい、

様々なタイプの悲嘆反応を体験することになります。

 

新しいペットを飼うことで、

亡くなったペットが裏切られたような気持ちになるのではないか・・・

と罪悪感をもつ人もいるでしょう。

 

でも、亡きペットたちは、飼い主がいつも幸せであることを願っているはずです。

きっと、「私の代わりにその子を大切にしてあげてね。」と考えてくれるでしょう。

自分で心構えができたと感じるときが、新しいペットを迎える最適の時期です。

 

心構えができたというのは、自分が悲嘆の諸感情を解決し、

新しい動物のいる生活を考えられるようになったときです。

それは、あなたが新しい動物と関わりを持つ準備を始めているということですから。

 

また、新しいペットは、前のペットとは違う品種にすべきか迷う人もいますが、

これはどちらでも問題ありません。

飼い主は同じ品種に慣れていますし、同じ性向を持っている動物を好みます。

 

これに対して、同じ品種を飼うと、事あるごとに、前のペットの記憶を重ねてしまう人もいます。

同じ品種であっても、性格やしぐさ、行動まで同じであることはありません。

 

新しいペットとの新しい関係を築く前に、

ただ外見だけがそっくりな身代わりのペットとの生活を始めた場合、

予想と違う、不満ばかりが目に付き、愛着がもてなくなる可能性もあります。

 

しかし、同じ品種のペットを飼っても、前のペットとは独立した存在として考えられるなら、

同じ品種を選んでも全く不都合はありません。

 

 

もうペットは飼わない?

ペットロスで悲しんでいる人に向かって、

ペットと別れることになるから私はペットを飼わないようにしている

というような発現をする人がいます。

飼い主の悲しみを十分に理解するかのような言葉ですが、

最後に、生き物を飼うと必ずこうなるが故に自分は飼わないことにした、と付け加える人がいます。

 

この最後の一言で、ペットを失ったばかりの飼い主は、それまでのその子との素晴らしい生活や、

楽しい思い出の全てを、否定されてしまったような気持ちになってしまいます。

 

たしかに、最愛のペットを亡くした経験のある人は、

「こんな悲しい別れをするのはもう嫌だから、新しいペットは二度と飼わない」

と大いに嘆き悲んだ人も多いでしょう。

 

でも、だからといって、今ペットロスの最中にある人に向かって、それを言うのは、

場合によっては、「たかがペットが亡くなったぐらいで・・・」

と言われること以上に、理解者である故の発言が、

ペットを失った飼い主の心を傷つけていることもあるのではないでしょうか。

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