ペットロスになるのは、
最後の別れをしたときの生活環境や精神状態など、
様々な要因に左右されることもありますが、
精神バランスを崩す芽は、
ペットとの別れ以外にも日常のいたるところにあり、
誰もがうつ状態や不眠症になる可能性はあるのです。
ペットロスを予防する方法としては、
「ペットの寿命は人間より短く、生命には必ずしが訪れる」という原則を、
予め心の準備をしておくことです。
人もペットもいつ亡くなるかなんて、誰にもわかることではありません。
ペットの最期は、ある意味いつも「急」なのです。
最期を予期する方法はありません。
猫や犬が事故にあったり、急病にかかることを、いつも気に掛けていることはできません。
最良の準備は、悲嘆の過程について理解を深めることです。
そうすれば、実際にペットが急に亡くなったとき、自分の感情にどう対処していいかがわかるでしょう。
愛するものとの別れはたしかに辛いものですが、普通に考えれば、
ペットとの別れ以上に、本当の家族と別れる方がショックは大きそうなものですが、
人の最期は受け入れられたとしても、ペットを失った悲しみからは、なかなか立ち直れない人は多いです。
その理由には、人と比べて、ペットの寿命が短いことが関係していると考えられます。
年老いた人がペットを飼い始めた場合でも、10年程度で別れの時はやってきます。
命あるものを飼う以上、いつかは亡くなることは頭で分かっていても、心の準備ができていないのです。
そうすると、予想以上の悲しみに襲われ、「もうペットは飼いたくない」、と言う人も少なくありません。
だから、ペットを飼う以上は最初から「最期」を想定して、受け入れる準備をしておく必要があるのです。
ペットの最期に直面したすぐ後に、可能な予防法の一つとしては、
しっかりと供養してあげるということもあります。
葬式で区切りつけることが、ペットロス症候群を防ぐ一つの方法となるでしょう。
最後まで面倒を見切ったという納得があれば、自責や後悔の念が和らぐ可能性もあります。
葬礼という区切りをつけるセレモニーを行なうことで、気持ちの整理がつけやすくなるということもあります。
これらは有効かもしれないという程度で、効能は保証できませんが、
拾骨で泣きはらした人は立ち直りが早いというデータもあるようです。
もう一つ、ペットと心置きなくお別れをするために、
予め信頼できる獣医師を見つけておくことも勧められます。
いつでも、病気や検査、診断、治療について納得のいく説明をしてくれる、
獣医師のところへペットを連れて行ける状態にしておくのです。
万が一のとき、獣医師との間に、しっかりとした信頼関係が築かれていなければ、
後悔の念から、ペットロスからの回復が長引く可能性もでてきます。
動物が亡くなったあとで、獣医師や動物病院を責め続けたり、
いつまでも自分自身を責めたり、後悔することのないようにしなければなりません。
ペットロスになりやすい人
1つ目はシニア世代。
ペットを、子どもや孫のような存在として、実の子どもや孫以上に愛情を注ぐ生活を続けていた場合、
その喪失感は想像をしのぐ大きさまでふくらみ、結果として精神バランスを大きく崩すことが多いようです。
2つ目は一人暮らしの女性。
自分の胸の内を打ち明けて、寂しさや悩みから解放してくれる存在がペットだった場合、
心にぽっかり空く穴は、周囲の想像を超えたものになりがちです。
いずれにせよ、ペットの存在への依存度が高い人ほど、
ペットロスのかかりやすさを秘めているといえます。
一般的には、常に一緒に行動していて、
家族を超えるような深い絆で結ばれていたりすると、喪失感はより大きくなります。
また、予期せぬ事故などで突然の別れを余儀なくされた場合は、
そのショックがペットロス症候群の引き金になる場合もあります。